建築のまえに

Corb [コルブ] 一周遅れの建築と人の話

2017/09

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100819塔の家

住めば都 という言葉があるように、昔から人々は自分の住む場所を定めて、そこがより暮らしやすくなる工夫をしながら生活をし、建物も自ずとそこの自然の理にかなった形をしていました。

時には険しい山の中やそのてっぺんに集落があったとしても、それにはちゃんと理由があることは推察されることですが、今の日本の建築の法律では制約ばかり多く、小さな離れを建てたり古くなった物置を作り替えることも、様々な規制によって実現出来なくなります。

問答無用の変築基準法です。

先日、バーナード・ルドルフスキーさんの「建築家なしの建築」という本を久しぶりに読み返して、建築は相互の交流の少ないか又は全く無い時代には、多様な形が創られそして住み続けていたことを再認識しました。

家が建てられるのは平地ばかりではなく、自然の災禍や人々の争いなどを避けるために山の中や崖地に住居を作ることもありました。

なかでも興味を曳いたのは、ペロポネソス半島の先端にいくつかある要塞化した村落のひとつの「バセイア」と、ロシアの北カフカス地方にある「スバネティア」の二つです。

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                    バセイア

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                   スバネティア

両者は地理的に離れた場所にありますが各家々が強固な塔を持ち、一ヵ所にまとまって住んでいることは同じで、敵が攻めてきた時はそこに籠もって集団で戦うのでしょう。

特に「スバネティア」の場合は、19世紀の後半まで殺された者の一族が殺した者の一族に対する復讐に対してなんらの制約が無かったということですから、そこに住む人たちの日常に喜びは少なかったのではと思ってしまいます。

昨今の日本の住宅の形も、何かから身を守ろうと意識すると自然に閉鎖的な形になりますが、それを無理に開こうと思ってもなかなか出来ないことでしょう。

自然に開くことが出来る環境を、それを近隣とか社会、自然や街並み、そして時には社会制度や経済というかもしれませんが、そのような時間のかかる地道なものを根気よく造っていくことが、今の時代にこれからやらなければならない事なのかと思います。
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100724 FUEKI・RYU-KO-

中古住宅 の売り物件の新聞チラシを見る事が多くなった昨今ですが、私が毎日通う道沿いにも、大きな家が一軒売りに出されています。

二十年近く前にこの家が建設中のときも、たまに前を通るたびに、在来木造といわれる建物の良さを十分につたえてくれる建物だと思って見ていましたが、こんなに早く住む人が変わるとは、世の中の移り変わりの早さに驚いています。

この建物の屋根は「入母屋造り」といって、田舎に住む昔の人であれば、多くの人が最後には普請をしてみたい願う、いわば人生の究極の建物でした。

   コピー ~ IMG_2355

そのことは、かえってそれ以上のものがないために、入母屋造りの建物を建てる事は、家運がいま以上に栄えず、かえって衰退をすることもあると言って、御施主様に勧めなかった大工さんもいました。

この屋根の造りは、大工さんの持っている技術だけではなく、美的なセンスまでそのすべてを問われるため、施工する人たちにとっても究極の建物でしょう。

いま、その技術やセンスを持った人たちが徐々にいなくなっていて、そのうち入母屋造りが出来る人は、昨今の茅葺き職人さんみたいに、全国をさがしてきてもらう、特殊技能になってしまうかもしれませんね。

時代によって、人々の嗜好が変わるのはしかたがありませんし、住宅を建てようとする人たちの年齢も変わっていますから、やむをえないことでしょう。

大きくいえば、私たちの周りを取り巻く社会と、その変化の早さが昔とは違いますし、技術は常に進歩するとはかぎらず、後退することもあります。

しかし、木造技術の本質は変わらないと思いますし、美的なセンスは少し柔軟な考えがあれば、どのような時代のさまざまな事にも応用出来るでしょう。

ましてや、職人さんの仕事に対するプライドや責任感というものは、いつの時代にも必要とされますし、変わってほしくないものです。

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100626地産地消(1)

晩ご飯のおかずに、自宅の小さな庭の片隅につくった畑で採れた野菜が、並ぶことが近頃増えてきました。

かたちがそろっているものは少なく、みな特徴があって、天ぷらにした茄子やピーマンも、朝方どこになっていたかがすぐにわかりますから、食べものへの感謝の気持ちは自ずと湧いてきます。

かかった材料代や手間を考えれば、高級スーパーマーケットの有機野菜コーナーのそれ以上かも知れませんが、なにしろ自家製ですから、土にしても肥料にしても、素性がわかっているので安心で、出来た野菜も、茄子などはヘタまでやわらかくて、しかも美味しく食べられるのですから、かえって趣味としては安上がりかもしれません。

経済成長をした日本の人件費は大変高くなり、手間ひまをかけた物を手に入れにくい時代だからこそ出来る贅沢かもしれませんね。

      IMG2223blog.jpg

そういえば、昔、といっても地域によってでしょうが、村内の人たちが、必要な手間や材料をお互いに持ち寄って協力し合う「結」(ユイ)と言う習慣があって、その仕組みのなかで住宅の建設が行われていた時代があり、それは冠婚葬祭など生活のほかのことにも及んだと聞いたことがありました。

この「結」を維持するために、各家に帳面があって手間や物の貸し借りを記録していたそうで、今でも香典帳を見てから、御霊前の金額を決めるお年寄りもいると思いますが、それに似たようなことだと思います。

このような社会の仕組みでは、手間については利息がつかないのが決まりでしたから、近頃の住宅ローンのように支払い総額が、借り入れの2倍にもなることはなく、貨幣経済がまだ十分に行き届いていない時代には、大変合理的で、持ち寄った身近な材料と手間で住宅をつくるという、地産地消の考えは当然のことだったのでしょう。

ところが、今の時代の社会システムでつくられる住宅建設に、供給される材料だけでも地産地消を当てはめてみようとしても、すでに地場の産業や職人が衰退してしまっていたり、流通材の種類が制約され材料代が割高になったり、そしてあきらかによその地域の材料よりも品質が劣る物もあるなど、どこかギクシャクして、しっくりしません。

むかしの人は好んで地域の材料を使ったのではなく、もっとも簡単に、そして安価に手に入れることが出来たから使ったので、近所で解体された建物でつかわれた木材をはこんできて、あたらしい建物の一部に使うことも普通のことでしたから、今の時代に地産地消を考えることは、飛び越えなければならないハードルがたくさんありますね。

ある建築家の先生に、なぜ木造ではなくコンクリートにこだわるのかと聞いたところ、日本で住宅をつくるのであれば、RCの打ち放しが一番ふさわしく、セメント、水、砂、砂利など身近にあるものばかりでつくることが出来ると言われましたが、それも面白い考え方だと思いました。






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100529 詩人と建築

高橋元吉さんは前橋市出身の詩人で、実家は本屋を経営し、白樺派の文化人との親交もあり、スピノサの研究家でもあった父親の跡を継いだ長兄の死後は書店の経営に携わりながら詩作を続け、昭和38年には高村光太郎賞を受賞しています。

元吉さんの親交は建築界にもおよび、水原徳言さんらとともに親しくしていた白井晟一さんに、自ら社長をしていた書店の設計をたのみ、それは1954年に完成しました。

県庁前のケヤキ通りに面し、レンガを基調にしたその建物は、それほど目立つ建物ではありませんでしたが、店舗の中央にあるテラゾーで出来た階段は、ゆったりと自然に人の気持ちを上の階に誘うようでした。

昔の経営者の中には、会社の運営に関する事以外にも興味を持ち、自ら芸術家であったり、また芸術に深く理解を持つ人も多くいて、ときにその人たちの審美眼は建築にも及ぶ事もあり、多くの名建築を世の中に送り出しました。

今という時代にも、建築を求める企業や個人がいて、その造りだした建物を、建築家とともに社会に問うています。

しかし、それが未来にどのような物語として人々に語り継がれ、その建築にたずさわった人たちの人生が、いかに豊かであったかということを、どこまで伝えることが出来るか、大変興味のあることです。


QVOD PETIS HIC EST MCMLIV LIBRARIVS KANKODO
「あなたの求めるものはここにあります 1954 書店 煥乎堂」

と言うブロンズの看板が、この本屋の入り口にかかげて有りました。

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