建築のまえに

Corb [コルブ] 一周遅れの建築と人の話

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100821悪貨は良貨を駆逐する

木馬といえばケラー ケラーといえば木馬と言われるほどに多くの子供達に楽しまれ、そして大人達にはその形の美しさを愛された玩具達は、ドイツのシュトゥットガルトの近くのあるゴッピンゲンで生まれました。

ケラー社は1864年の創業ですが特に第二次世界大戦後にさらに発展し、マイスターの資格を持つ職人さん達とともに優良な子供向けの玩具を創りだし、木製の自動車のかたちをしたPKWなども人気がありました。

若いシュバーンさんという彫刻家がデザインをした、当時としては斬新なこの木馬は1954年からケラー社の製品として多くの国に売り出され歓迎をされました。

やがてそれを真似た多くの類似品が安価に市場に出るようになり、「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉の通りにケラー社も会社の設備を更新する余力も無くなり、また後継者も見あたらなかった為、ライセンス契約により他の会社に製造してもらうことにしたそうです。

いずこの世界にも、評判の良いものがあればすぐにその形を真似して作る人はいますが「なぜその形にしなければならなかったのか」「人々の生活を豊にするものはどのようなものなのか」と時間をかけて真剣に考えた人に対して敬意を払わない製品作りは、元の製品の製造者ばかりでなく、そのコピー品を買うことにより本物の製品の持つ本来の良さを体験して感動を味わうことが出来なかった消費者に対しても、二重に罪があると言えるでしょう。

木馬の名前は「ペーター」と言い白木を生かしたシンプルなものと、リートフェルトの椅子のレッドアンドブルーのように三色に塗り分けられたものがあります。

       IMG_2515a.jpg

家にもペーターが居ますが、二人の子供の遊び相手をしてくれたため、ペイントも所々こすれて消えてしまっていますが、今でもまだ玄関でお客さんのお出迎え役をしています。
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100702空気写真

HOLGA は、見た目も少々無骨な、中国の労働者向けにつくられた、お世辞にも綺麗な写真とは言えない品質のカメラですが、けっしてオモチャとして扱うことの出来ないカメラです。

このカメラは、思った通りの写真が出来上がると思ったら大間違いで、色もピントもブレも構図もなにも、現像して焼き上がらなければわからない、ワクワクした期待感があります。

そして、そこに写されたものは、いつも見慣れた世界から少しずれた普段とは違う風景で、もうひとつ別の真実のように見えます。

つい昨日に写された物事が、まるで何年もまえのことように感じられますし、何気なく撮った写真が、普段気がつかなかったことを教えてもくれます。

それは、いつもはそれと気付かずにすごしている、自分たちの周りにある空気を写し撮って、感じさせてくれるかのようです。

       Photo007.jpg

昔、中学校の修学旅行に、当時は貴重なカラーフィルムを白黒フィルムといっしょに、1本だけもって行ったことがありましたが、白黒写真用のコントラストを調整するためのカラーフィルターを外すのを忘れてしまい、カラー写真がみんな黄色くなってしまってびっくりしたことがありましたが、それでもけっこう面白い写真だと思って満足していたことを思い出しました。

          コピー ~ Photo006

このカメラ、時にはZEISS PLANARのような、そしてまたある時はTESSARのようだと、一人でニコニコしているのも、楽しみの一つです。

          Photo009a.jpg

見えたモノをありのままに再現することを最善とする、デジタルカメラを有能で忠実な家来とすれば、このトイカメラは孤独な王様を皮肉る道化にたとえてもよいかもしれません。

RICOHも良いけど、HOLGAもね。


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100623ヘルベチカ

「American Airlines」 「TOYOTA」「BMW」「evian」「THE NORTH FACE」「CATERPILLAR」「Panasonic」「Microsoft」のいずれにも共通するものがあります。

それは、いずれも大企業であり、多くの国に顧客を持つ国際企業であり、CMなどによって日常生活の身近なところで、これらの企業の存在を知っている、などほかにもたくさんあるでしょう。

それらの共通点のひとつが、企業ロゴで、先に挙げたすべての会社が「ヘルベチカ」という書体を使用しています。

「ヘルベチカ」は、ラテン語でスイスを意味し、1957年に、この国でつくられたサンセリフ体です。

当時スイスで活躍していた、スイス・スタイルといわれる合理的でミニマルなデザイナーの人たちは、国家や宗教に依存しないインターナショナルな思想を持ち、無国籍、又ある意味では多国籍の象徴として積極的にサン・セリフ体を使用していて、もっとデザインの統一された書体はないかと考えていましたが、その要望に応えたものがこの書体でした。

「ヘルベチカ」の持つ中立性や国際性は、戦略を重視する大企業のロゴに最適と考えられ、極限まで、ニュートラルになったフォントの集合体としての企業ロゴを際だたせるものとして、選ばれたのでしょうが、かえってその使いやすさが、世の中に広まりすぎて、飽きられてしまったり、この書体を真似したものが現れたために、その評価を妨げたりもしていました。

ちょうどこの頃、海を渡ったアメリカでは、ミース・ファン・デル・ローエさんが、イリノイ工科大学クラウンホールやシーグラムビルをつくっていましたが、これも又、中立性や国際性を賛美され、現代建築のお手本とされ、世界にミース風といったデザインが広まりました。

しかし、かたちは真似ができても、そのデザインセンスまでは真似はできず、ましてやミース好みの、ブロンズやトラバーチンをたくさん使って、完璧なまでに設計されたシーグラムビルは、当時世界で一番高価な摩天楼と言われました。

どこか似たようなところのある「ヘルベチカ」と「現代建築」ですが、なぜこれほどまでに広く社会に受け入れられたのかを、あらためて考える良い機会ではないかと思っています。

なお、「Helvetica」の書体は、Macにも入っていますので参考までに。




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100503 ユーゴスラビアの電話機

イスクラというユーゴスラビアのメーカーがデザインしたETA80シリーズの電話機は、その未来的なシルエットが人気で国内でも高い評価を受けたことは、1984年のグッドデザイン賞を獲得していることからもわかるでしょう。

ユーゴスラビアという国はもう存在しませんが、紛争前の社会主義国であった国と、この電話機に見るモダンデザインを結びつけ考える事はすぐにピンときませんでしたが、よく調べてみるとこのイスクラ(Iskra)という会社は今のスロベニアのクラーニという都市に有り、地図で見ればデザイン大国イタリアのすぐ隣にあって、ベネチアからも200kmほどのところにあるため、気質的にもイタリアに近いものがあるのではないかと思いました。

この電話機はその使い途には関係なく、ランボルギーニカウンタックにも似たような流線型をし、ミニマルというより未来的な造形をしていて、今にも時速300kmで走りだしそうですね。

コピー ~ IMG_1922

今では家電にもデザイン性を求め、デザイナーがプロダクトに込めたメッセージを共有しようとする流れが少しずつ大きくなり、デザイン家電と言われるものも増えてきましたが、なかでも今の時代の電話機は、デザインの難しいプロダクトではないかと思います。

機能の増大により複雑になった操作インターフェースを如何に処理するか、また切り捨てるかや、人がハンドルを持って使用することを前提とした送受話器の位置関係や形状、質感、など人間の五感の近くにある製品として、クリアしなければならない条件はたくさんあります。

一般に電話機とモダンデザインを結びつけて考える習慣がなかった時代に、プロダクトとしての新しい世界を我々の前に広げてくれたイスクラの功績は、1980年代後半に市場に出たバングアンドオルフセンの高音質電話機であるBEOCOMと共に大きいと思います。

コピー ~ IMG_1929

それまでの一般的な家庭用電話機といえば電電公社からのレンタルによる600型電話機に代表される黒電話といわれるものや、一部の家庭で使用された公社製のホームテレフォン、又は加入者が別個に購入した装飾電話機や小型電話機などを回線切り替えによって使用するという時代が長く続きました。

その後は、ご存じのように電電公社は民営化により株式会社化され、同時に通信自由化により、技術基準に適合していれば宅内端末を自由に選べるようになりました。

自由化以降は、電電公社ファミリー企業と呼ばれる通信機器メーカー以外にも、大手家電、音響メーカーがこの分野に力を入れはじめ、コードレス電話機や家庭用ファクシミリなどの便利な機能を付加した製品を市場に送り込むようになりました。

そのため、通信機としての電話機が家電的なモノとなりコストダウンや、他社との差別化の為の付加機能をたくさん盛り込んだ、カタログアイコンの多さがその製品の価値をあらわすかのような時代になってしまい、その中で電話機のデザインは遠い世界に追いやられたような時代がしばらく続きました。

コピー ~ IMG_1924

いまでは、B&Oも一般に知られるようになり、デンマークのエンザーや韓国のミューテック、国内でもアマダナなどの良質なプロダクトを手にする事が出来るようになった事は、デザインの嗜好による選択肢も増え、大変喜ばしい事でしょう。

豊かだからデザインに目を向けることが出来るのではなく、デザインがあるから豊かに暮らせることをあらためてこのブログの中で実例を通して書いてみようと思っています。

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